こんにちは。
久しぶりに西東京市訪問診療連絡会を開催しましたのでちょっと報告いたします。
西東京市訪問診療連絡会とは、西東京市を中心に訪問診療・在宅医療を積極的に行っている医療機関に所属するスタッフが集う会です。医師の会ではないというところがポイントです。
以前このブログで西東京市の訪問診療の現況についてお話ししました(ブログ記事:最近の西東京市)。今回は13医療機関から参加してもらえました(都合が合わず参加できなかった方々、ごめんなさい)。有難いことです。
この会の設立経緯についてちょっと説明します(不肖わたくしめが言い出しっぺですので)。
そもそも訪問診療とは、医療機関に通院することが困難な方の在宅療養を支援することが主業務です。そして、そこから発展する二つの大きなミッションがあると思っています。ひとつは緩和ケアであり、もうひとつは救急ケアです。
まずそのとりかかりとして、緩和ケアについて考えてみます(救急ケアにつては残念ながらまだ手付かずです)。
緩和ケアとは一言でいうと、患者さん・家族さんのQOL(生活の質)の維持向上を目指すアプローチです。生活の質について考えるのに際し、最も望ましいのは患者さん・家族さんが生活の場にいることだと思います。これは当然でしょう。ということは、在宅緩和ケアこそが緩和ケアの王道である、となるわけです(言いすぎでしょうか?)。
しかしながら、緩和ケアを社会的に・学術的に・制度的にとらえたとき、在宅緩和ケアは緩和ケアの本流からはちょっとずれたところに位置している印象です。
これはなぜでしょうか?
在宅緩和ケアって、それに携わっていない方々から見ると、よくわからないもの・得体のしれないものなのです。何やってるか見えない。それぞれが勝手なことをしている。そして、密室のなんとかなんて揶揄されたりします。
当事者である我々からしても、個別性が高すぎて、あるいは医療からはどうしても外れた部分(それこそ生活に密着した部分なわけですが)が多すぎて、部外者の方々には説明しにくかったりします。さらには、自分の行っている在宅緩和ケアが本当に正しいのか、適切なのか、ちょっと不安になることもあります。答え合わせの機会がないのです。
「だったら、在宅緩和ケアに従事している人たちが集まって話したらいいんじゃない?」
これが訪問診療連絡会設立の原点です。
在宅緩和ケア従事者が集って話すことにより、共通認識を持つことができます。さらには共通理念が生まれると思うのです。最大公約数的な、と言ってもよいでしょう。これによりケアの均てん化が図られ、それぞれのスキルを磨くことにもなると思います。それぞれの抱える不安の解消にもつながります。
何よりも重要なのは、医師だけで話すのではなく、在宅緩和ケアに直接的あるいは間接的に従事するスタッフ、看護師さん、アシスタントさん、事務職さん、ワーカーさん、セラピストさん... いろんな職種の人たちがイーブンな立場でごちゃ混ぜになって話すことです。それこそがQOL維持向上に貢献すると思うのです。
そんな思いでこの会を設立しました。
まあ、理屈よりも何よりも、集まったり繋がったりすること自体が楽しいし、心地よいですよね。
得るものは無限にある。減るのはおなかぐらいです(だから懇親会付きです)。
設立当初からお世話になっているにしのわの皆さん、西東京市高齢者支援課の有志の方々、今回もまたありがとうございました。ここにも強いきずなができています。
以上、西東京市訪問診療連絡会のご紹介でした。
この会が発展し、もっともっと皆さんの役に立てたらいいと願っています。