最近の西東京市の様子をお話しします。
当院が開院したころは、西東京市には訪問診療専門クリニックは2か所しかありませんでした。
そこから7年ほど経過して、それが10か所以上に増えています。
想像できないような状況になりました。
利用者さんにとって、選択肢が複数あるということは幸運なことだと思っています。訪問診療医が見つからないために訪問診療を受けられない、という事態はないと言ってよいでしょう。
しかしながら、選択肢が多くなると選択しづらくなるというのも事実であり、選択した後に目移りするということもあるでしょう。
解決不能な問題かもしれません。
訪問診療クリニックに当たりはずれというのはあるでしょうか?
当事者としてはあるともないとも言いづらいところです。ただ、患者さん・家族さんと担当医の相性というものはあるでしょう。
いい医者に診てもらいたい、というのは当然の思いでしょうが、さていい医者とは何か?と言われると絶対的な正解はありません。
尊敬する在宅医である悠翔会の佐々木先生が、よい在宅医を選ぶためのチェックリストとして下記のものを提案されていました。
良い在宅医を選ぶためのチェックリスト □ 話を丁寧に聞いてくれるか □ 処置や処方について十分な説明があるか □ 主治医が頻繁に代わらないか □ 緊急時にちゃんと対応するか □ 診察時間が短すぎないか □ 訪問頻度を柔軟に設定できるか □ 明細に不可解な項目がないか
いかがでしょうか?
当事者としてみると妥当性の高いチェック項目だと思いますが、これらはいったん訪問診療を受けてみてはじめて評価できるものであり、診療を受ける前にわかるわけではありません。
周囲の方の成功体験(場合によっては失敗体験)が聞けるとよいかもしれません。在宅医と一緒に働いた経験がある他職種の方(看護師さん、ケアマネージャーさん、ヘルパーさんなど)に聞いてみるのもよいでしょう。
などと他人事のように書いてきましたが、僕は当事者であり、患者さん・家族さん・他職種の皆さん・訪問診療を受ける前の担当医療機関の皆さんに選んでもらえるかどうかは、当院の死活問題でもあります。しかしながら、評判を気にしすぎるのは問題があるとも思っています。
当事者としては担当させてもらっている患者さんの診療を丁寧に行うことに尽きます。それだけです。