「またお会いしましょう」

こんにちは。

夏が近づいている感じですね。

 

コロナ禍のさまざまな行動制限は、緩和ケアにおいても暗い影を落としています。

特に病院での面会制限は、する方にとってもされる方にとっても多大なストレスをもたらしていますね。それが理由で在宅療養を選択する方もいらっしゃいます。

 

人生の最終段階が間近に迫った進行癌患者さん・家族さんにとって、ホスピスというのは必要不可欠な存在です。在宅療養を選択された患者さん・家族さんにとっても、ホスピス・緩和ケア病棟は困った時やいざという時の頼みの綱的な存在だったりします。

 

訪問診療医・在宅緩和ケア医という立場上、自宅で療養されていた患者さんをホスピス・緩和ケア病棟に送り出すことがあります。コロナ禍以前なら、元主治医として入院先の病院に面会に行くことは容易でしたが、さすがにコロナ禍では自粛せざるを得ず、ホスピス入院の時点で患者さんとはお別れになってしまうというのが現実でした。

 

コロナウイルスとの共存(ウイズコロナ)を余儀なくされる昨今、新しい行動様式を模索する中で、ようやく病院での面会もできるようになってきました。有り難いことです。

在宅療養からホスピス入院に移行した場合も、ご家族がもう会えないということはなくりました。

 

 

元主治医としても、十分な配慮をしたうえで、ホスピス・緩和ケア病棟に元担当患者さんに(ほんのちょっとだけですが)面会に行くことを再開してみました。

これによって、ホスピスに送り出す患者さんに堂々と「またお会いしましょう」と言えるようになりました。うれしいことです。

 

 

人生の最終段階を、どこで過ごすのがよいのか、決まりはありません。あくまでも本人次第です。

最期の時を家で過ごすのもよし、ホスピスで過ごすのもよし、です。

ウイズコロナをふまえて方針を決めなければなりませんが、できるだけストレスが少ない方がいいと思います。

 

そして、できる限りストレスを減らすことがわれわれの使命です。