こんにちは。秋らしい日が続いていますね。
コロナ禍は小康状態が続いている印象です。残念ながらコロナ禍以前と全く同じ生活には戻れなさそうですね。
やはりwithコロナ的な生活を送っていくべきでしょう。
そんなわけで、オンライン勉強会は今後も続けていこうと思います。
今回は、【在宅で出会う徴候シリーズ】というものを始めてみました。
在宅療養支援の現場で出会うことが多い、患者さんからの訴えにどのように対処すべきか、改めて考えてみる、という趣旨です。
対象は在宅療養支援に従事するケアスタッフの皆さんを想定しています。
患者さんの「呼吸が苦しい」という訴えに対し、どのように評価しどう対処するか、というようなお話を2回に分けてしてみました。資料を添付しておきますので、興味のある方はご覧ください。
医療者は、患者さんの訴えを医療という枠の中に落とし込んで評価し対処するのがミッションです。
その『患者さんの訴えを医療の枠に落とし込む』という最初の一歩ですでにバイアスがかかります。
「呼吸が苦しい」という訴えを『呼吸困難』と表現した時点で医療の向かう方向が決まるわけです。
それが正しい方向なら問題ないのですが、ときにいわゆるあさっての方向に向かってしまうこともあります。
ですから、患者さんの「呼吸が苦しい」という訴えを安易に『呼吸困難』に”翻訳”するのではなく、「呼吸が苦しい」という表現のまま第一歩を踏み出すべきなのです。
今後、AIが進化して『診断』の場面にも役立つようになるでしょう。しかしそこでAIに対し指令を入力する最初の一歩が間違っていたら、いかにAIといえども正解にはたどり着かないでしょう。
AIが発展しても、患者さんに対面し訴えを聞き方向性を決めて(あるいは方向性を限定せず)最初の一歩を踏み出すときに、人間の力は必要不可欠だと思うのです。
そういうことを考えながら、これからも研鑽をつみ、みなさんに情報を提供していきたいと思っています。