こんにちは。久しぶりの投稿です。
振出しに戻ったような疑問をまた考えています。
緩和ケアってなんなんでしょうね。
理屈では分かっているつもりでいます。とても重要で、生きる上でなくてはならないものだと思っています。
しかしながら、その言葉から惹起するネガティブなイメージは、払しょくできていないようです。
もう何周もぐるぐる回って、やっぱり『緩和ケア』ということばが悪いのではないか、というところに行きついてしまっています。
以前このブログでも書きました(サポーティブケアと緩和ケア)が、ちょっと発想を変えた方がいいと思っています。
最近、よく『早期からの緩和ケア』と言われるのですが、なかなか進んでいない印象です。
そもそも『緩和ケア』というものにネガティブなイメージを持ってしまうことが多い状況で、「あなたには緩和ケアが必要です」とか「緩和ケアを受けるべきです」と言われても患者さんは困惑してしまいますね。
かつては、「緩和ケアって何? 聞いたことないよ。」という方が多かったと思いますが、『緩和ケア』ということばが市民権を得て、そこから連想されるイメージが共有されるようになってきたのでしょう。
そのイメージとは、ずばり『死』ですね。
これは歴史的にみてもやむを得ないことです。日本固有の問題ではありません。
ですから、『早期からの緩和ケア』を普及させるためには、「『緩和ケア』ということばから『死』を連想する」という考えをなくさなければなりません。そのために関係者が尽力している、というのが現状です。
ではどうすれば『緩和ケア』と『死』の連想をなくせるでしょうか?
僕は、突飛な発想かもしれませんが、『緩和ケア』は『死』を扱わなければよい、と思っています。
『死』を扱うのは、『ターミナルケア』です。『エンドオブライフケア』とも言います。(『終末期』ということばは、ちょっと適切ではないと思います。)
そして、「『緩和ケア』はよりよく生きるためのケアである。」とすればよいと思います。
さらには、よりよく生きることをサポートするのだから、『サポーティブケア』と呼称することにすれば、『緩和ケア』ということばはいらなくなります。
病を患った方に必要なのは、病気を治療する『標準医療』と、よりよく生きるための『サポーティブケア』なのです。ですから『標準医療』と『サポーティブケア』は同時進行なのです。
そしていずれは、生きとし生けるものの宿命として『ターミナルケア』の出番となるのでしょう。
悲しいことですが、避けるこのできない真理です。せめて「おだやかな死であれ」と願い、そのために力を尽くしたいと思っています。