こんにちは。
今日は『多職種連携』について考えてみます。
『多職種連携』ということばはもう、耳にタコができるくらい使われていますね。
ことばというものは、ひろく使われれば使われるほど、その意味が表層化し形骸化していくものです。
最終的には掛け声のようなものになってしまうのかもしれません。
ことばだけが浮いてしまうのでしょうね。(『地域包括ケア』ということばもそうなっているのかな...。)
そんなわけで、『多職種連携』の意味を再確認してみたいと思います。
在宅療養(=在宅緩和ケア)は、様々な職種の人がそれぞれの役割を演じることによって成立しています。
そして、それぞれのメンバーはそれぞれ違った事業体に属することが通常です。上司でも部下でもなく、赤の他人なのです。
ですから、たとえば在宅医がヘルパーさんに命令するようなことはありえないのです。あるのは命令ではなく、依頼です。
では、『連携』はどうすればできるのでしょうか。
まず最初に必要なのは、「共通の目的を持つこと」です。あたりまえですね。
在宅療養においては、「患者さんのQOLを改善させること」が共通の目的です。あたりまえです。
そしてその目的のために、それぞれの職種の人が専門領域の職責を果たせばよいのです。
それによって、他のメンバーに、職責を果たしていると認めてもらうのです。
「お互いに共通の目的に向かって職責を果たしていると認め合うこと」が連携の真の意味だと思います。
もちろん情報を共有することも重要ですが、みなが集まって会議をすることが連携なのではありません。
メンバー間に何らかの食い違いが発生しても、共通の目的に向かってそれぞれが職責を果たした結果であるのなら、全く問題ないと思うのです。
そこに上下関係はありませんね。