こんにちは。
前回のブログで、「訪問診療専門クリニックの訪問診療は入院医療の延長」であり、「外来診療と訪問診療を合わせて行っているクリニックの訪問診療は外来診療の延長」であると述べました。
それはあくまでも時間軸でみたときの違いについての考察でした。
今日は訪問診療と外来診療の理念の違いについて考えてみたいと思います。
そもそも訪問診療は『外来通院が困難な方』に対して行うものとされています。
外来通院が困難かどうかについては当事者の判断にゆだねられています。
僕はそれ以上に、『理念』に違いがある(違いがあるべきである)と思っています。
外来通院されている患者さんは、『体調不良の原因を探り、治す、治らない場合は少しでも改善させる』ということを目的にしているのだと思います。『体調不良など全くなくとも、どこかに病気が潜んでいないかを探し出すこと(=健康診断と言いますね)』も行われます。
要するに、少しでも『健康』という状態に近づけることを目指しているのでしょう。
それは『健康=長寿』という信念に基づいているのだと思います。
それに対し、訪問診療を受けている患者さんは、『穏やかに過ごす、のんびり過ごす』ことを目的にしているのだと思います。そして『体の状態は時間とともに変化していく』ということを受け入れながら過ごすことを目指しているのでしょう。
要するに、『老い』というものを受け入れながら過ごすということです。
ちょっとエキセントリックな意見かもしれませんが、訪問診療を受けるためには、まず『健康を目指す』という発想から脱却する必要があるんじゃないかと思っています。
肩の力を抜いて、『のんびり過ごす』ことを目指してほしいのです。
その方が結果的に『長寿』につながることもあると信じています。
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